最近伸び悩んでいたクライミング歴6年の私ですが、7月の大会出場を機に、目標を立てること、計画的にトレーニングすることの大切さを改めて実感しました。
もちろん楽しんで登り続けるのも良いですが、目標をきちんと定めるとモチベーションが上がり、トレーニング計画も立てやすくなり、成長が望めます。
今回は、クライミングの目標の立て方について、私の事例を交えながらお伝えします。
これからクライミングの大会に出る人や、秋冬の外岩シーズンに向けてトレーニングを始めるという人、伸び悩んでいる人の参考になると嬉しいです。
良い目標設定の5つのルール
何を目標にしたらよいか分からない!という人も多いと思います。
良い目標設定には5つのルールがあります。
それは以下の通り。
漠然と「強くなりたい」ではなく「1年後に5.12台をコンスタントに登れるようになりたい」という風に決めましょう。
具体的か、測定可能か
目標を達成したかどうかが分かるように「具体性」「測定可能」というのは大事です。
「小川山のエイハブ船長(1級)を登る」など特定の課題を目標にしても大丈夫です。
コンペに出る人は順位を目標としても良いですが、できることなら大会のグレード感を把握し、「5.13aをコンスタントにオンサイト」などと測定可能な数値目標を定めると良いと思います。
到達可能か
期間内の到達可能性が50%くらいの目標を立てましょう。
例えば、40代からクライミングを始めて「オリンピックで金メダルを取る」という目標を掲げても、なかなか達成することが難しいですよね。
目標は高すぎても低すぎてもいけません。
自分の現状を見極め、達成できるかできないかギリギリのラインがモチベーションアップに繋がる良い目標です。
価値があるか
目標に価値があるかどうかはあなた自身の問題ですが、努力する価値がある目標なら、達成に向けて頑張ることができますよね?
達成したら嬉しい!と思えるような目標にしましょう。
期間を定める
最後のルールは、期間を決めるということ。
期間を決めないと、行動を省みるタイミングを逸してしまいます。
目標をなかなか達成できなくても、原因を追究せずにダラダラと同じことを繰り返してしまう可能性があります。
貴重な時間を無駄にしかねません。
期限を決めると、目標を達成できなかったとしても、その期間の行動を振り返って原因を探ることができ、有意義な時間を過ごせます。
目標設定のステップ
目標設定からトレーニングの実行までには次のステップを踏んでいきましょう。
目標を決める
上の5つのルールを守って目標を決めましょう。
将来の目標→3年後の目標→1年後の目標という風に、長期目標から短期目標へと徐々に期間を短くして決めるより具体的に目標設定できます。
「将来像なんてよくわからない!」という人は、1年後や半年後、3カ月後の目標で構いません。
現状を知る
まず大事なのは現状の自分と向き合うことです。
何ができて、何ができないかをしっかり把握しましょう。
強みや弱みを把握することで、目標に向けて足りないものが見えてくるはずです。
- テクニック
- フットワーク
- 全身が使えているか
- 正確性
- スピード
- ムーブ
- 得意
- 苦手
- フィジカル
- 持久力
- 瞬発力
- 柔軟性
- メンタル
- 身長/体重
- 怪我
トレーニング計画を作る
週に何回、何時間クライミングジムに行けるか、家トレが出来るかは人によっても違います。
それぞれ自分に合ったトレーニング計画を立てましょう。
トレーニング計画を立てると、おのずと行動目標も出来ると思います。
長期目標は結果にフォーカスしていると思いますが、ごく短いスパンの行動目標も大事ですよね。
例)今月は毎日ストレッチする
今週は週3回はジムに行く
今日は1000手以上登る
記録する
記録は大事です。
手帳やエクセルにメモしても良いですし、ブログやSNSなどを利用してもOK。
のちのち見返すことができるようにしておきましょう。
行動を振り返る
トレーニングをし始めたら、定期的に振り返りましょう。
この振り返りの作業こそ最重要ステップです。
- 目標達成できたか
- トレーニング計画を遂行できているか
- できなかったら、なぜできなかったのか、何をすればよかったか
(例)目標が高すぎた/怪我をした/忙しくてトレーニングできなかった/持久力が足りなかった など - できたら、何が有効だったのか、どんな力が伸びたか
- 成長したポイントはあるか
- 今後に生かせることはあるか
- 今後何をすべきか
定期的に行動を省みることで、トレーニングの方向性を修正ができたり、目標を再設定することができます。
私の目標
さて、ここからは私の話になります。
先月の大会では、2ヶ月という短期間ではありますが、大会に合わせて練習し、ピークを調整していきました。
急ごしらえの割にしっかり合わせることが出来たと思っています。
ただ、今の自分の中で良いパフォーマンスが出来ても、大会は相手がいて、順位がでますから、結果としては悔しい思いをしました。
前回出た時は悔しいとさえ思えないくらいの負け方だったのですが、今回は「あと一歩だった」と思えるだけに悔しい。
ということで、今大会一緒に戦ったチームで既に次の目標を決めました。
次の目標は「来年7月の大会で、チーム成績総合2位以上」
このメンツでまた一緒に出よう!という雰囲気があるので、私も来年に向けて頑張りたいと思っています。
今回は2カ月でしたが、次は1年かけてじっくり準備していきます。
数値目標
大会での順位はあくまで出場者の相対的な評価ですから、具体的な数値を決めていきます。
私が目標とする大会は、目安として以下のグレードの課題が出ます。
- ボルダリング 3級~1級の課題4本
- リード 5.12c~5.13aの課題1本
それに対し、私は以下の目標を立てました!
- ボルダーRP 1~2級
- ボルダーOS 2級
- リードRP 5.12b
- リードOS 5.12a
達成できるか50:50って感じですが、達成できた場合、ボルダリングは4課題中、2~3課題を完登、4課題でゾーン獲得を狙えます。(現状は1完登2ゾーン)
リードは混戦となる核心部分を抜けることが目標です。
現状を知る
まずは現状の自分と向き合っていきましょう!
今の私のグレードは以下の通り。
- ボルダーRP 3級
- ボルダーOS 3級
- リードRP 5.11b
- リードOS 5.11a
※いずれもジムでのグレード、OSは確率50%以上、RPは1~2時間以内に登り切れるグレード
その他の自己分析もしてみましょう。
- テクニック
- フットワーク…〇(強傾斜~ルーフでは△)
- 全身が使えているか…△
- 正確性…△
- スピード…△
- ムーブ
- 得意…ハイステップ、二ーバー、フラッギング等のバランス系
- 苦手…フック系、アンダー、ピンチ
- フィジカル 体幹(特に腹直筋・背筋)が弱い。指を怪我しやすい。
- 持久力…×
- 瞬発力…△
- 柔軟性…〇
- メンタル…△(緊張しがち)
- 身長/体重…164.5cm/53.5kg
- 怪我…右手中指の腱鞘炎(2か月目)
ボルダリングに比べてリードクライミングのグレードがだいぶ低いことからもわかるように、私は「持久力」「回復力」に課題があります。
目指す大会は、ボルダリングもリードもやらなければならないので、リード能力を上げるのは重要です。
回復力は短い時間で完登を目指すボルダリングにも有効ですから、「持久力」「回復力」を伸ばすことは必須。
また、現状ではOSグレードに比べて、RPグレードが低いです。
ここから分かるのは、「フィジカルが弱い」ということ。
実際、私は高強度の課題が苦手です。
その弱点を理解していたので、これまではどうにかムーブ(テクニック)でカバーしようとしてきました。
「ムーブにフィジカルが付いてきていない」という状態を知っていながらないがしろにしていました…。
今後は、強度が高い課題に対応できるように、筋力&筋動員率(筋力を最大限に発揮する能力)を上げるのが目標となります。
トレーニング計画などは、また別の記事で書いていこうと思います!
まとめ:成長のために目標を
私が目標を立てることが大切だと思ったのは、私自身伸び悩んでいたからです。
3年前と今、何か大きく変わっただろうか?
多少は強くなっていると思いますが、大きな変化や成長は無いように感じます。
実際、近場で目標としていた課題はほとんど登ってしまったし、年に1~2回の遠征を楽しみにしているくらいで、練習のモチベーションが上がらない日々を過ごしていました。
ホームジムがないことを理由に週1~2回程度しか登っていなかったし、
限界グレードばかり触っているからレストの時間が長くて手数を伸ばせていないし、
そりゃあ強くはなりませんよね。
現状維持が精いっぱいでした。
そんな状態が長く続いていただけに、久しぶりに大会に出場したことは刺激的でした。
目標を立てること、計画的にトレーニングすることは成長のために大切だと改めて実感しました。
私のように、クライミング歴が長くなって伸び悩んでいる人、
これからクライミングの大会に出る選手、
秋冬の外岩シーズンに向けてトレーニングを始めるという人は
ぜひ5つのルールに従って目標を立て、それに向かって計画的に頑張ってもらいたいです!
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